日本人は普段の生活こそ無宗教に近いですが、葬儀をするとなるとほとんどの家が仏教のやり方で行うことになります。先祖代々お世話になっているお寺があったり、お墓がすでに建っている家も多いでしょう。しかし最近では、無宗教で葬儀をする、という考えも一般的になっています。
仏式だとお経をあげたり焼香をしたりしますが、無宗教の場合はそういった宗教的な儀式は一切行われません。故人の好きだった花を飾ったり、好きだった曲を流したりして、「お別れの会」のような形式で行われます。仏式にしないことで、僧侶にかかる料金が要らなくなることはたいへんなメリットでしょう。
読経代やお布施などは、余計なお金をかけたくないと思っていても出さないわけにはいきません。僧侶を呼ばないことで、だいぶ節約になります。また、参列者が儀式に惑わされず、ゆったりした気持ちで故人を見送ることができるのも良い点です。
ただ、なんでも自由かというと、そうではありません。服装はやはり喪服で、一般的な葬儀に則ったマナーが必要です。「喪服ではなく平服で」と言われたら、ネイビーなどの地味なものを着用します。香典も「御花料」などと表書きをして持っていくのが一般的です。